HOME > 経営改善コラム > マンション相続税、評価見直しで負担増に? —2024年1月から―
国税庁が6月30日に発表した相続税算定の見直し案によると、相続税の対象となる不動産のうち、マンションの評価額について、「実税価格」の6割以上に引き上げられることになりそうです。
相続税の計算上、土地の評価は路線価(又は固定資産税評価額倍率方式)、建物は固定資産税評価額をもとに算定されます。 マンションについても同様に、区分所有者ごとに土地の持分按分と建物評価に基づき計算されるのですが、現状、実税価格の4割程度にとどまっているとの指摘がありました。
具体案としては、相続税評価額が市場価格理論値の60%未満となっているもの(乖離率1.67倍超)について、同60%となるように評価額を補正するというもの。 一方で、地方などでは、固定資産税評価額が市場価格よりも高い逆転現象が起きている物件もあり、相続税評価額についても評価水準と同等になるよう配慮される模様です。
この背景には、タワーマンションを借入により購入した相続税対策に対し、2022年4月最高裁が「租税負担の公平に反する」と指摘して、多額の追徴税額が課税された事例などあり、相続税評価額が低くおさえられがちなマンションの評価方法について今後の議論を経て、2024年1月より見直しされることになりそうです。