HOME > 3分経営講座 経営改善塾 > 「税務調査の実態」 その5
法人税収は4年連続で増加しているにもかかわらず、税務調査による申告漏れ所得金額は4年連続で減少(7515億円)、税務調査件数については、平成23年度の12万5千件をピークに減少し、昨年度は9万1千件にとどまっている。このうち、申告漏れ件数は6万61千件(調査件数に対する割合約72%)で、1件あたりの申告漏れ所得金額は、829万円(不正による所得金額は1298万円)となるものの、追徴税額全体としては、平成にはいってからでは過去最低となった。
同時に実施される法人消費税については、8万7千件の税務調査が実施され、うち4万9千件(調査件数に対する割合56%)、1件あたり43万円強の追徴となったが、追徴税額全体としては、法人税と同様に低調傾向にあります。
調査件数が減少した背景には、調査手続きの厳格化、煩雑さなどが背景として考えられる。
調査件数減少に対して、税務職員の数はほぼ横ばいなので、調査立会い時間は変わらないとしても、その前後の1社あたり調査にかける時間は、増えていると推察されます。
昨年度の不正発見割合の高い順は以下の通り(()内は不正発見割合。)
①バー・クラブ(47.3%) ②自動車修理(29.8%)③パチンコ(29.0%)④廃棄物処理(28.4%)⑤土木工事(28.2%)⑥土木建築工事(26.0%)⑦貨物自動車運送(24.3%)⑧再生資源卸売(24.3%)⑨電気・通信工事(23.3%)
バー・クラブは例年高く、最近の建設土木工事の活況による影響が上記に表れているようだ。
一方、不正申告1件あたりの不正所得の大きな順は以下の通り ①パチンコ ②自動車・同付属品製造 ③情報サービス等 ④電子機器製造 ⑤建売、土地売買などとなっている。
税務当局は、上記の業種に着目して、調査の選定も行われているものと推測されます。
- 税務調査で追徴になる可能性は7割強(2割弱は指摘なし)
- 調査手続きの厳格化等により調査件数は減少しているが、調査時間は増える傾向。/li>
- 業種により不正発見割合などに傾向があり、調査選定の頻度も高くなる可能性