HOME > 3分経営講座 経営改善塾 > 「半沢直樹」に見る融資の実際 その3」
金融庁検査の立ち入りの演出がきわどかったTV「半沢直樹」。(銀行担当者の自宅や実家まで立ち入り検査が及ぶことはないでしょう。)
それはさておき、金融検査において、銀行貸出先等の債務者の財務・経営状況に応じて、債務者を次の5区分に分別されます。【破綻先・実質破綻先・破綻懸念先・要注意先・正常先】
金融機関は、これらの区分に応じた毎に一定割合の貸倒引当金を積まなければならず、業績に直結することになります。
これらのうち、経営者は、今後の融資見通しを考えるうえで、自社がどれに該当しているか把握する必要があるでしょう。
このうち、破綻先~破綻懸念先は融資困難として、要注意先については、「元本返済もしくは利息支払いが事実上延滞しているなど問題がある債務者のほか、業況が低調ないしは不安定な債務者または財務内容に問題がある債務者など今後の管理に注意を要する債務者」とされている。
要注意先に該当するか否かは、債務者の財務内容に負うところが大きいため、融資審査においては、財務内容を点数化して、正常先であるか否かを判断することとしています。
よって、多くの金融機関において、支店長決裁で融資というのはほとんどみられなくなり、本部決裁によって融資判断が下されることになっているようです。
財務内容・経営内容を点数化して、本部が融資決裁する現実に対処するためには、経営者は財務内容を健全化していくことが、融資には近道となります。(それがむずかしいから融資に頼るわけですが、、)
経営者は税金にネガティブで、ついつい節税に走りがちですが、年800万円までの法人税等負担率はせいぜい25%前後。優遇税制などを利用しつつ、しっかり利益を積み上げていくことが金融機関からの評価を上げることになり、企業の継続の近道となりましょう。
金融庁も半沢効果の影響か、債務者区分の厳格化を徹底指導する方向から、自己査定を重視する意向を示しつつある。本部ありきの融資でなく、融資の現場を尊重し、企業を財務面で支え、厳しく見守る金融のプロが活躍する金融機関が待ち望まれる。
1、5つの債務者区分を理解しておこう
2、わが社の債務区分を確認せよ
3、「要注意先」区分にならぬよう財務をみがこう。節税と利益は両立できる。