相続にかかる遺産分割手続きと相続税 その23

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相続にかかる遺産分割手続きと相続税 その23

  • 2018/04/06
  • 相続税

「相続税対策編(2)」

■相続時精算課税制度の活用

60歳以上の父母・祖父母から20歳以上の子(推定相続人)又は孫(直系卑属)が、選択により累計2500万円を超える贈与財産について贈与税(一律20%)を支払い、その後の相続時にその贈与された贈与財産と相続財産の合計額をもとに計算した相続税から、贈与税を控除した金額を相続税として納税する制度。

■相続時精算課税制度のメリット

生前に、贈与することにより、亡くなる前にあげたい人の名義にすることになりますので、後々の相続争いを予防する効果が期待できます。
また、複数年度にわたり累計2500万円までの贈与について贈与税がかからないため、生前に特定の財産を贈与したいなどの場合には有効と考えられます。
さらに、贈与した財産は、贈与時の価額で将来相続税課税の対象となりますが、値上り益の期待できる財産であれば、相続時の時価の方が高額になることによる相続税の負担を抑えることができるでしょう。
また、収益を生む財産を贈与することにより、贈与以降、収益は受贈者に帰属することになるため、相続財産の増加を抑えることができることにつながるでしょう。

■相続時精算課税制度の注意点

メリットとは逆に、贈与時の時価よりも相続時の時価が下がっても、あくまで贈与時の時価で課税されることになるため、相続税の負担が重くなる可能性があります。
また、贈与の場合には、相続と比べて移転登記にかかる登録免許税の税率が高く(相続0.4%・贈与2%)、また不動産取得税がかかりますので、名義移転の際の税コストについてご注意ください。
この制度は税務署への届け出が必要になり、あとで取下げができず、選択以降、年110万円の贈与税非課税枠が使えないなどのデメリットがありますので注意が必要です。
相続時精算課税制度の選択にあたっては、専門家に相談した上で、慎重に検討してください。

■このコラムのポイント

  1. 相続時精算課税制度は、60歳以上の父母・祖父母から20歳以上の子や孫などが選択により2500万円まで贈与税非課税となるものの、相続税が課税される制度。
  2. 相続争いの未然抑止や値上り益財産の贈与には税効果期待できそう。
  3. 年110万円の贈与税非課税枠が利用できなくなるなど、デメリットやリスク注意。

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