「私たちの年金問題」 その6

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「私たちの年金問題」 その6

  • 2016/12/16
  • 年金問題

「この先の社会保険制度を考える」

■事業者の独り言

(経営者Aさん)これまで、社会保険加入の認識が薄く、従業員の理解もあり社会保険に加入していなかったものの、社会保険のお尋ねの書類が送られてきて、あわてて加入することにした。ところが、従業員からは給与の手取りが減ると生活がやりくりできない、などの声があがり、やむを得ず手取りを減らさない形で給与額も昇給させた。昇給分と社会保険加入分(給与報酬額×約15%)の負担が重く、借入返済もあるため、役員報酬を減らすことなどで何とかやりくりしている。
(会社経営者Bさん)個人事業が軌道に乗り、会社設立して社会保険加入し一時従業員10人ほどいたが、その後業績不振に陥り、社会保険料も滞納がちに。現在従業員はおらず、社会保険の督促が厳しく脱退したいがそれもできなかった。現在は個人事業にもどして、会社の社会保険料を分割で支払い続けている。

■米国の社会保険制度(参考)

ところで米国の公的年金制度について、年齢の上限なく働いている限り公的年金(OASDI)に加入義務あり、いわゆる専業主婦・無職・学生等は加入できず、日本と同様労使折半で年金負担(自営業者は自己負担)しています。財源は原則として国庫負担はなく、株式での運用は禁止されているようです。
米国の健康保険制度については、日本のような国民皆保険制度と異なり、民間の健康保険を活用する一方、健康保険に加入していない個人には確定申告時に追加税を課すなど保険加入を即す一方、低所得層への補助金等により広く保険をいきわたらせる手法(いわゆるオバマケア)がとられています。
日本・米国の制度どちらにも一長一短ありますが、日本の法人等を対象とする社会保険制度は報酬額の3割(労使折半)もの負担を法律で強制する制度である上、税金等も投入され手厚い制度であると言えるのかもしれません。

■社会保険労務士に相談しよう

社会保険の加入要件に該当するか、社会保険に加入すると会社と従業員の負担はどれくらいになるか、あらかじめ知っておきたいものです。
また、雇用関係にあるのか、あるいは、いわゆる外交員や専門技術者のように、雇用でなく委託契約となっているケースもあるでしょう。雇用関係にないこれらの者は社会保険の加入要件(被保険者)に当てはまらないものと考えられますが、契約内容などにより異なります。中小企業など、雇用契約書や委託契約書がなく、慣行や口頭で済ませている場合も少なくありません。これを機に、あとあとトラブルにならないよう、契約書等を整備していくことも必要ですね。

■このコラムのポイント

  1. 社会保険の負担は事業主にとって思いのほか重く感じているようです。
  2. 米国の健康保険制度について、国民皆保険制度と異なり民間の健康保険の活用による法制度(オバマケア)
  3. 雇用関係にあるのか委託契約かにより被保険者になるかどうか異なる。契約内容も確認しよう。

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