HOME > 3分経営講座 経営改善塾 > 「事業拡大する際に起こるリスク」(病院・開業医編)
個人で開業しつつ、事業拡大にあたっては、何より患者が求めている要求に応え、との信頼関係、体制の確立にありますが、組織体としては医療法人設立も一つの手段です。 医療法人は、一人でも設立が可能となり、医療法人の8割以上は一人医療法人です。 個人医院の場合、先生が亡くなると、廃業に追い込まれるケースが少なくなく、遺産分割協議が整うまで預金通帳が凍結され、人件費など各種支払が滞る可能性もあります。 医療法人であれば、一時的な混乱があったとしても、後継者さえ決まれば継続できますし、相続税においても、理事長の出資持ち分相当額が相続税の対象となる一方、持分の定めのない医療法人の場合、(基金拠出型医療法人の出資部分を除き)相続税がかかりません。
事業拡大のためには、患者が求めている要求に応え、信頼関係を構築していくためのサービスを確立していくことが必要で、それをかなえていく医師やスタッフの育成が不可欠になるでしょう。
また、事業拡大に伴い、人員が増え、抱える患者が増えるにつれて、代表が全てに携わることは困難になってきますから、医療及び経営に専念するには、人員の管理教育や顧客情報の管理など、管理機能としての事務局の充実が重要な要素になるでしょう。
これら組織体制の充実とともに、診療所の拡大や病棟の増床、医療機器の設備投資など、資金調達の面でも多額かつ中長期的な計画を専門家交えて慎重に行っていく必要性に対応する為、関連会社を設立して、グループ企業として独立させるなど、それぞれの機能を分社化させていくことも有効な方法の一つです。
病院施設などは多額の投資となるため、拠点を増やしたはいいが失敗したときのリスクはどうしても大きいものになってしまいます。
失敗のリスクをより小さなものにするためにも、専門家を交えて、事業計画、市場調査、予算配分、医師・スタッフの育成を納得行くまでつめた上で、事業拡大を確実に実現させ、医療を通じて社会に貢献していきたいものです。
1、個人医院から医療法人設立。
2、サービスの確立、医師・スタッフの育成、事務局機能を充実させる。
3、事業拡大のリスクを知る。