HOME > 3分経営講座 経営改善塾 > 「事業拡大する際に起こるリスク」(建設・設備施工業編)
建築請負・設備施工といった工事全般にいえることは、見込み案件(客)を安定的に獲得し、確実に受注につなげ、期限内に一定の品質で納品できるかが、企業命運のカギを握ります。例えば工務店の場合、受注拡大にともなって人員を増やしていったとこで、リーマンショックで突然注文が止まるケースや、得意先の都合で仕事が激減することも考えられます。外注人員や外部委託、アウトソーシングの活用など、業務の増減に対応できるような体制を整えていきましょう。
受注見込管理表などで案件を管理し、どれくらいの受注が見込めるか、日々チェックしましょう。
例えば、顧客や案件を受注見込み度によりA~Dランク付けします。受注見込額に、A100% B80% C50% D20%などの受注確率を乗じて、年次・月次の受注見通し、売上見通し額を算出します。こうして実績と見通し(予算)が大きくかい離しないよう、管理していきましょう。
工事進捗も工程表を見える化して情報共有し、納期遅れがでないよう管理していきます。
営業マンや工事担当者のスキルのみにたよるのではなく、このように情報を極力見える化して全社員又は幹部が共有し、事業拡大しても、経営者が 手遅れになる前に問題点の把握・対策改善・軌道修正など対処していけるよう体制をつくっていきましょう。
事業拡大のためには、安定かつ優れた技術力、優秀な人材の確保、資金力がほしいところですが、これらを獲得するためには、売上・ひいては一定量の受注とこれに伴う利益によって賄われるべきものです。そのためにはまず、見込み客、見込み案件を安定確保することに注力、これらの受注精度を安定させ、この注文を確実に納期内に納品する。こうやって地道に信頼を築きあげていくことが大切です。
一方で、リーマンショック・地震・超円高など、これからも、突然のリスクはやってきます。
事業拡大にともなって、このようなリスクも想定し、一時的な繁栄よりも、「負けない企業」を心がけていきたいものです。
1、アウトソーシングなどを活用し、業務の増減に対応できる体制をつくろう。
2、受注見込管理・工程管理を見える化して情報共有、事業拡大しても経営者が全体進捗見える体制。
3、見込み案件(客)獲得・受注・納品のサイクルを安定させ、リスクに備えよう。