HOME > 経営改善コラム > 2025年(令和7年)税制改正案について (個人所得税関係)
令和7年度税制改正大綱によると、所得税の基礎控除額と給与所得控除額の最低保障額をそれぞれ10万円引上げ、さらに特定親族特別控除(仮称)創設されることとなるなど、改正案が公表されました。 このうち主な改正点(個人所得税関係)について紹介します。
◆所得税の基礎控除 基礎控除額が58万円(現行48万円)に引き上げるとともに、合計所得金額2350万円超(現行2400万円超)の基礎控除額が、以下のとおり低減される。
◆給与所得控除額 給与所得控除額65万円(現行55万円)となり、上記基礎控除(58万円)とあわせると、給与年収123万円までは所得税課税されないこととなる。 これにより税制上は「103万円の壁」が押し上げられる一方、社会保険制度では、51人以上の被保険者在籍の事業所において、週労働時間20時間未満で所定内賃金88,000円以上働くなど所定要件満たすと、本人(学生等除く)の社会保険負担が生じることとなっておいます。
◆特定親族特別控除(仮称) 生計を一にする19歳以上23歳未満の親族等を有する居住者で、特定扶養親族の所得要件(58万円以下)を超えている場合、以下のとおり所得123万円までは段階的に控除する制度として創設される予定です。
子の給与年収123万円(所得58万円)を超えても親の税負担が一気に増え手取りが減る現象に対応し、年収188万円(所得123万円)まで段階的に控除額が減っていく制度となっています。
◆新生命保険料に係る一般生命保険料控除の見直し 23歳未満の扶養親族を有する居住者が負担する生命保険料にかかる一般生命保険料控除(新制度分)について、上限6万円(現行3万円)を控除額とするなど拡充される見込み。
◆確定拠出年金の拠出限度額の見直し (1)企業型確定拠出年金制度について、上限月額62,000円(現行55000円)に拡充 (2)個人型確定拠出年金制度について、第一号被保険者(厚生年金未加入)の上限月額75,000円(現行68000円)に拡充。また一定の60歳以上70歳未満の者を新たに対象として、その拠出限度額62000円とする見込み。
◆退職所得控除の勤続期間重複排除の見直し 退職手当等の支払いを受ける年の前年以前4年内に老齢一時金の支払いを受けている場合には「退職所得控除の計算における勤続期間等の重複排除の特例」の対象としていたが、これが令和9年に見直しされる。 また、居住者が受給する退職手当の源泉徴収票をすべて税務署長に提出することが義務付けられる。(現行は、法人の役員である居住者のみ)