HOME > 3分経営講座 経営改善塾 > 「平成27年度税制改正の概要」 その2
法人税率25.5%から23.9%(平成27年4月以後開始年度)に引き下げられることにより、中小企業は地方税等も含めると課税所得年800万円までは25%弱、800万円を超える部分に対して、約38%の負担率となることを前回確認したとおり。 税率が下がるとともに、赤字となった場合の欠損金繰越控除期間が現行の9年から10年に変更されることになる※。
法人税は、所得に対して上記の通り法人税等が課税される一方、赤字だった場合にはその欠損金が最長9年繰り越されることになっていた。これが1年延びて最長10年間繰り越されることになる※。 但し大企業については、以下の通り繰越欠損金と相殺できるその年度の所得金額は、以下の割合となり、段階的に引き下げられる。
区分 | ~H26年度 | ~H27年度 | ~H29年度 | |
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繰越期間 | 9年 | 10年 | ||
所得制限 | 大企業 | 80% | 65% | 50% |
中小企業 | 100% |
そのかわり、帳簿についても、繰越を認めてもらうためには保存期間が10年となる。帳簿書類がまたたまってしまうことになるが、繰越を認めてもらうためにはやむを得ない措置。
一方で、国税関係書類にかかるスキャナ保存制度について、これまで3万円未満の金額基準があったがこれが撤廃される。平成27年9月30日以後、契約書・領収書等の重要書類について、適正な事務処理の実施を担保する規定の整備と、これに基づき事務処理を実施していることをスキャナ保存承認要件として、電子署名についてタイムスタンプを付し、入力者等に関する情報保存したものを対象とする。
(※欠損金繰越にあたり青色申告(帳簿要件並びに青色承認申請)によることが前提です。)
- 繰越欠損金(青色申告の場合)の繰越期間が9年から10年へ延長。
- 大企業は、80%→50%の所得制限が下がるため単年度の税負担はふえそう。
- 帳簿は10年保管。一定要件でスキャナ保存も認められる。