借り入れと返済の現実~「半沢直樹」に見る融資の実際 その5

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「半沢直樹」に見る融資の実際 その5」

  • 2013/11/14
  • 融資

「借り入れと返済の現実」

■相談の流れ

あなたの企業が2000万円借り入れすると、月々の返済はいくらになるか、イメージしてみよう。
運転資金の返済期間は長くて5年、金利2%とすると月返済額は約35万円(利息含む)。

借り入れ返済は、利息しか費用にならないから、この場合、
純利益(税引き後)が400万円(年返済額420万円―利息約20万円)以上にならないと、資金繰りが苦しくなると考えるべきであろう。(実際には、減価償却・売掛回収・買掛支払・設備投資などの要因があって必ずしもそうはならない。)

当初の計画として、年間400万円以上利益がでるだろうと思って借り入れしたが、実際にはゼロまたは赤字になったら、たとえゼロでも、380万円前後のキャッシュを減らすことになると考えておきたい。

■その後の返済

<2年目>

1年目利益ゼロとして、その後、設備投資や人材採用などの選考投資もあるし、とりあえず、1000万円さらに借り入れするとして、月返済額は18万円(利息含む)。月々の返済額は53万円に膨らむ。
この年順調に400万円の利益をだして120万円もの税金を支払って、予想される資金繰りとしては、
税引き後利益280万円―借入返済元本約600万円=▲320万円の資金純減となってしまう。

<3年目>

この年、リーマンショックじゃないけど、まさかの計画が狂って、▲500万円の赤字だったとしよう。
▲500万円―借入返済元本約600万円=▲1100万円
この時点での手元資金はさていくらになっているだろうか。

■資金繰りの現実

1年目 2000万円-元本返済400万円+利益ゼロ = 1600万円
2年目 1000万円-元本返済600万円+利益280万円 = 680万円
3年目 -元本返済600万円―損失500万円 = ▲1100万円
1~3年目合計 1180万円

一見潤沢な資金のこっているように見えるが、売掛金(後日回収する売上)などの未回収があったり、設備投資やオフィスの保証金を支払っていたりするなどの場合には、手元資金はその分減っていることになる。もし、設備投資・売掛金あわせて500万円あったとすると、のこり680万円で4年目を迎え、また返済600万円+利息の現実が待ち受ける。 ま、また借り入れするか?
これが、経営の現実ではないだろうか。
創業する前に、借入する前に、現実の返済を知っておきたい。

■このコラムのポイント

1、借入はできても返済の道のりはながい。
2、「まさか、まさか、」経営につきもの。
3、計画は厳しく、資金繰り見通しもさらに厳しく想定しておく。

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