半沢直樹は泣いている~「半沢直樹」に見る融資の実際 その4

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「半沢直樹」に見る融資の実際 その4」

  • 2013/10/31
  • 融資

「半沢直樹は泣いている」

■執行役員はこう言った

三菱東京UFJ銀行の某執行役員の記事を紹介します。

「当行は、人材育成を含めて、中小企業をベースに据えた仕組みでやってきたといえます。そしてそれが、中小企業融資の分野でメガバンクらしい具体的な取り組みが必要だと考える理由です。」

「担保至上主義の融資姿勢は、もはや中小企業の実態からは乖離しています。また、『決算書がよければ貸す』という姿勢は悪くありませんが、日々流動する中小企業の実績変動に即座に対応できない。実は、『経営者の“姿勢”に貸す』というのが行員の正しいあり方だとわれわれは考えています。」(戦略経営者10月号No.324より)

■融資の現場

先のコメントを聞いたら、半沢直樹は泣いて喜ぶだろうが、現場はそうだろうか。

決算書が悪くても担保があればお金を借りれた時代がありました。

今は、決算書が悪ければ、担保があっても貸さないし(連帯保証人たる経営者の返済余力も影響しますが)、仮に経営者の姿勢に貸す担当者がいたとしても、融資の決裁は本部にあるため、決算書がよい銀行格付けの高い企業だけに融資が行われているのが実情です。メガバンクにおいては、融資の現場である支店に決裁権がないのですから。

しかし、一部地銀や信金、信用組合においては、融資額にもよりますが、支店での決済権が残っているため、経営者の姿勢も多少加味されるかもしれません。

メガバンクほか、多くの銀行担当者にはノルマ(目標といったほうがよいか)があり、貸したいのは山々ですが、上から「回収してこい」「貸さない」といわれれば、そうするしかないです。

■金融機関とどうつきあうか

借りる場合に、担当者や支店に決裁権がないからといって、不遜な態度ではいけません。担当者との信頼関係は不可欠ですが、担当者・支店長は3年程度で異動になります。担当者によっては、新規融資に対して厳しくなることもありますが、担当者に一喜一憂せず、このような、金融機関の現実を踏まえて、銀行・信金・信組・政府系金融機関などに、複数選択枝をもつことも必要です。

銀行対策だけでなく、企業を守るためにも、財務内容をよくしていかなければなりません。

取引先に喜んでいただき、しっかりと売り上げを確保しつつ、たとえ薄氷でもよいから利益を上げてつづけていくことで、金融機関にたよらなくてよい財務体質を作っていきたいものです。 

■このコラムのポイント

1、御社の取引銀行は、“経営者の姿勢”に貸してくれているだろうか?
2、支店決裁から本部決裁へ。格付けが融資を決める現実。
3、複数行の取引でリスクヘッジせよ。

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