HOME > 3分経営講座 経営改善塾 > 相続にかかる遺産分割手続きと相続税 その29
今回は生命保険の活用方法について考えてみます。
被相続人が生命保険契約を締結して受取人を相続人等とした場合、相続により相続人等が受け取った死亡保険金について、のこされた遺族に対する生活保障といった趣旨のもと、相続税の非課税枠【500万円×法定相続人数】が設けられています。これにより、相続人等が受給する死亡保険金のうち、非課税枠の範囲内で相続税がかかりません。
現金で保有しているより生命保険に加入して、将来相続が発生した場合、非課税枠の範囲内で相続税が生じないことが可能になります。
相続が起こると、被相続人名義の預貯金はいったん凍結されることになり、遺産分割協議が整うまでは相続人の共有状態となり、原則として引き出せなくなります。
一方、生命保険金は基本的に予め受取人が設定されており、本来の相続財産でないため、基本的には遺産分割の対象とならず、受取人が必要書類を用意すれば1-2週間程度で受け取ることが可能です。(保険会社により異なります)。さらに遺留分の対象にも含まれないため、遺産分割争いの対象となりにくい一面があります。
もし、高齢者が死亡保険金の設定されている保険に加入していないなどといった場合、今からでも、一時払いの終身保険などに加入して、保険料をまとめ払いしておく方法があります。これにより将来相続が起こった場合、非課税枠の範囲内で相続税が課税されないことが可能になります。
高齢になればなるほど新たに加入できる生命保険は少なくなりますが、85歳まで入れる保険(かんぽ生命・終身保険)など、保険会社等により異なりますので、確認してみましょう。
なお、保険料の負担者が被相続人以外の場合には、課税関係が異なってきますのでご注意ください。
- 死亡保険金には、非課税枠【500万円×法定相続人数】が設けられています。
- 保険金は基本的に遺産分割の対象とならず、遺留分の対象にもならない。
- 一時払いの終身保険などですぐに対策可能。