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相続にかかる遺産分割手続きと相続税 その15
「相続税はいくらかかる?(3)」
■相続税が軽減される制度とは?
相続税の税率は10%~55%で、課税遺産総額が増えれば、税額は累進的に増えることを確認してきました。但し、相続税の特例制度を活用することにより、相続税を軽減してくれる制度があります。
- ①配偶者の税額軽減制度
相続等により取得した遺産額のうち、1億6千万円相当額か法定相続分相当額(どちらか大きい金額)について相続税が軽減される制度です。
相続税の申告期限(10ヶ月以内)まで遺産分割して申告した場合に認められる制度なので、申告期限まで分割協議が整わなかった場合には軽減できません。(所定の届出により延長制度あり)
- ②未成年者控除
20歳未満の国内居住者等一定の者は、20歳に達するまでの1年あたり10万円が控除されます。
- ③障害者控除
85歳未満の国内居住者等で障害者の場合には、85歳に達するまでの1年あたり10万円(特別障害者の場合20万円)が控除されます。
- ④相次相続控除
今回の相続開始前10年以内に被相続人が相続等により相続税が課されていた場合には、一定の控除があります。
■相続税が増える場合とは?
- ①相続税額の2割加算制度
相続等によって財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族(代襲相続人となった孫含む)及び配偶者以外の人である場合には、その人の相続税の2割相当額が加算されます。
- ②贈与財産の加算と贈与税額控除
相続等により財産を取得した人が、相続開始前3年以内に贈与を受けた財産について、その被相続人の相続税の課税価格に、その贈与財産の贈与時の価額を加算されます。
また、その加算された贈与財産の価額に対応する贈与税の額は、加算された人の相続税から控除されることになります。贈与税の基礎控除額は年110万円ですが、その基礎控除を控除しない金額を加算することになります。
相続直前に贈与してしまうことによる相続税回避を抑止する狙いがあるようです。
■このコラムのポイント
- 相続税が軽減される制度について確認しよう。
- 相続税が増えてしまう制度もあり注意。
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