相続にかかる遺産分割手続きと相続税 その12
「相続手続きの実際(7)」
■相続税の対象とならない非課税財産とは?
相続税がかからない財産として主に次のようなものがあります。
- ①墓地や墓石、仏壇、仏具、神棚等で日常礼拝をしているもの。
(金の仏像なども非課税の対象となりますが、日常礼拝していないものは課税対象となるので注意)
- ②宗教、慈善、学術、その他公益を目的とする事業を行う一定の財産で、公益目的とする事業に使われることが確実なもの。
- ③条例により、精神や身体に障害のある人等が取得する心身障害者共済制度に基づく給付金受給権。
- ④相続により取得したとみなされる生命保険金のうち500万円×法定相続人数 までの金額。
- ⑤相続又は遺贈により取得したとみなされる退職手当金等のうち500万円×法定相続人数 までの金額。
- ⑥個人経営の幼稚園の事業に使われていた財産で行って要件を満たすもの。
- ⑦相続又は遺贈により取得した財産で相続税申告期限までに国などに寄付したものなど。
以上が、主な非課税財産となりますが、亡くなってから墓地などを購入しても、相続財産から控除してくれません。生前に取得等していなければ、非課税とはなりませんのでご注意ください。
■相続税の対象となる相続財産から控除できるものは?
遺産総額から次の債務や葬式費用を差し引くことができます。
- ①被相続人が死亡した時にあった債務で確実と認められるもの。
借入金以外にも、医療費や水道光熱費など、相続前に費消し相続開始日以降に負担したものも対象に。他人や法人等の連帯保証については、残念ながら債務控除の対象とはなりません。
※生前に取得したお墓の未払代金等など非課税財産に関する債務は差し引くことができません。
- ②葬式費用(本葬・通夜費用、僧侶・寺院へのお布施・戒名費、火葬・埋葬等の費用、遺体運搬・納骨費用など)
※香典返礼費用・初七日・四十九日法要費、遺体解剖費用などは控除の対象となりません。
■このコラムのポイント
- 相続税の対象とならない非課税財産について知ろう。
- 相続開始時の債務及び葬式費用は、遺産総額から差し引かれます。