HOME > 3分経営講座 経営改善塾 > 相続にかかる遺産分割手続きと相続税 その9
預金通帳が見当たらない、あるいは他に預貯金があるかもしれない、といった場合、各金融機関に残高証明書を依頼することにより、死亡日現在の預貯金の有無、預貯金残高を確認することができます。
残高証明書を発行するための手続きは、各金融機関によって異なります。一般的には、被相続人の死亡したことが確認できる除籍謄本等、相続人であることが確認できる戸籍謄本、相続人本人であることを確認できる運転免許証等の身分証明書が必要になるでしょう。金融機関によっては、依頼者本人の実印及び印鑑証明書を求められるようです。また、相続人以外の者が請求する場合には委任状が必要になります。
これも金融機関によって必要書類や手続きの流れが異なります。
① 被相続人及び相続人全員確認できる戸籍謄本。被相続人の出生から死亡日までの戸籍謄本と、相続人の直近の戸籍謄本があれば漏れがないと思います。特に被相続人の出生地と死亡した時の戸籍が異なる場合には、出生地及びそこから戸籍の異動後の戸籍をそれぞれの市区町村において請求して取り寄せる必要があります。金融機関によってはそこまで要求されない場合もありますが、相続不動産登記などにおいては必ず求められますので準備しておきましょう。
② 相続人全員の印鑑証明書
③ 各金融機関指定の必要書類への記入
④ 預金通帳・証書等
⑤ 遺産分割協議書(③の書類で足りる場合もあります)又は遺言書
上記書類がそろえばすぐに預金名義を変更又は解約できるかというと、必要書類の確認などの手続きがあり、最低でも1週間程度要すると考えておいた方がよいでしょう。メガバンクやゆうちょ銀行は支店(出張所)では単に書類を預るのみで、支店等から「相続センター」などの部署に送られ、書類の確認などを経て名義変更等の手続きがなされるため時間がかかります。また、1か所でも記入漏れや不備があれば訂正するなど(印鑑証明書と一字一句異なる場合など一度で済まない場合の方が多い)、1カ月以上かかる場合も珍しくありません。いずれにしても必ず金融機関で必要な書類等確認した上で手続き進めましょう。
当然ですが、預金をだれが相続するかなど協議のうえ決定しておかないと銀行は手続きしてくれません。
但し、全ての財産を遺産分割協議整える必要は必ずしもなく、葬式代や法要などの費用精算など、先に預金を解約したい場合には、個別預貯金の名義変更のみさきに協議書を作成して、解約等手続きをするという方法も考えられます。死亡したことを知らせず、暗証番号もしくは銀行届け出印があれば預金引き出しはできるのですが、死亡した日以後引き出されたお金は費消して無くなっていても遺産分割協議の対象になります。
- 預金通帳がなくても残高証明書を取り寄せて、その金融機関の口座内容を把握することができる。
- 預貯金の解約等は相続人全員の印鑑証明書など必要な書類を整えて行います。必ず各金融機関ごとに確認を。
- 預貯金をだれが相続するか協議整わなければ解約等ができません。