HOME > 3分経営講座 経営改善塾 > 「私たちの年金問題」 その4
前回紹介した社会保障給付費の推移の通り、約10年で2倍に膨れ上がっていましたが、平成27年度の社会保障給付費約119.9兆円だったものが、平成32年度には131.7兆円、平成37年度には145.8兆円に膨らむと見込まれています。
こういった背景から、社会保険の滞納、未加入問題についてクローズアップされてきており、社会保険未加入事業者に対して、日本年金機構から「厚生年金保険・健康保険の加入状況にかかる調査について」という文章が送られているようです。
日本年金機構は、関係機関からの事業所情報に基づき、事業を行っていると思われる事業所を対象に通知し、「厚生年金保険・健康保険の加入状況にかかる調査票」に、社会保険の加入状況について文書で回答を求める内容となっており、具体的には以下の通り。
1.事業の内容
2.現在、厚生年金保険・健康保険に加入していますか。(該当記号に〇)
ア.加入している イ.共済組合に加入している ロ.加入していない
ハ.個人事業所であり加入していない。
3.役員の人数(法人の場合)または従業員の人数
4.給与受給者の人数と内訳
5.厚生年金・健康保険に加入していない理由
ア.現在加入に向けた手続きを進めて(考えて)いる。
イ.事業を行い賃金・報酬の支払いを行っているが、社会保険の加入手続きを行っていない。
(①保険料の負担が困難②従業員の同意が得られない③手続きが面倒
④加入メリットを感じない⑤加入要件を知らなかった⑥その他( )
ウ.平成 年 月頃から事業休業しており、事業再開見込は平成 年 月頃又は未定
エ.平成 年 月頃から事業は廃止しており、現在においても行っていない。 オ.その他
上記5イ.のうち、加入要件に該当しないのは①~⑤のうちどれが該当するでしょうか?
個人事業で常時従業員が5人以上の場合(飲食業、理美容業など一部の業種除く)、並びに法人事業所については従業員数にかかわらず社会保険適用事業所となり、法人の役員、正社員、パートタイマーのうち、正社員の労働時間のおおむね4分の3以上である場合には被保険者、つまりこれらの対象者を社会保険に加入させなければなりません。
よって、上記イ.①~⑤に該当しても加入しなければならないことになります。
但し法人の役員について全て無給であり、加入対象となるべき従業員がいない場合には、社会保険に加入しなくてもよいことになります。自分で判断せず、社会保険労務士など専門家へ相談してみるのもいいでしょう。
- 社会保障給付費は、平成27年度119.9兆円から10年後145兆円へ。
- 日本年金機構から「厚生年金保険・健康保険の加入状況について(お願い)」の文書が未加入事業者に送られてきたら放置せず対応しよう。加入要件に当てはまるかは専門家へ相談。
- 企業番号(企業版マイナンバー)により未加入事業者への照会が増えるかもしれません。