HOME > 3分経営講座 経営改善塾 > 「私たちの年金問題」 その1
日本年金機構は、これまで国民年金保険料の滞納者に対して年間所得350万円以上の滞納者を対象に強制徴収を実施しているが、2017年度からはその対象を年間所得300万円以上に引き下げるようだ。(日経新聞2016/9/20付)。
給与所得者の多くは、厚生年金・健康保険料・雇用保険料について給与から天引きされる制度になっていますが、自営業者・フリーランスなどは各市区町村に各自納付することになっており、統計によると滞納者は360万人以上(免除者・徴収猶予者を含まない)にも上り、一部納付を含む納付者は全体の47%程度(平成26年度総務省統計調査実績)に留まっています。
いろいろ事情があるにせよ半分程度しか納付されていない実態が浮かび上がっています。
そこで、滞納者のうち、払える所得があるのに払わない対象者を重点的に強制徴収を実施する方針がうかがえます。
所得≠収入ではなく、事業者の場合は(収入-必要経費)、給与受給者の場合は(給与収入-給与所得)ということになります。
年間所得300万円の場合、給与収入は、442.5万円、
350万円の場合、給与収入は、505万円です。
国民年金保険料を滞納した場合、文書や電話、あるいは個別訪問による納付督励が行われ、応じない未納者には催告状が、度重なると特別催告状が送付されることになります。
さらに放置されると最終催告状が送付されます。
これは滞納処分の手続きの前に、未納分の自主納付を促す最後の通知ということになります。
さらに指定した期限までに納付がなかった場合、督促状が送付されます。
督促状の送付は13カ月以上滞納している人が対象のようです。
督促状の指定期限を設け、その間、差押え可能な財産の有無の調査が行われます。
勤務先、個人事業の場合取引先等にも照会がいく可能性があります。
それでも納付がない場合、差押えによる強制徴収が行われることになります。
遅延すると延滞金もかかるため、そもそも滞納を常態化させないうちに納めるようにしておきたい。
- 国民年金滞納者への強制徴収強化へ(所得350万円→300万円以上に対象引下げ)。
- 国民年金対象者の納付者(一部納付含む)は全体の半分程度にとどまっている。
- 督促状が届く前に、滞納を常態化させないうちに納付を。