HOME > 3分経営講座 経営改善塾 > 「マイナンバー制度で変わる税務手続きの概要」 その4
マイナンバーの不正提供や盗用などに対する罰則は、他の個人情報に比べ格段に重くなっています。さらに、従業員がマイナンバーの不正提供や盗用を行った場合は、その使用者に対しても罰金刑が科される両罰規程が設けられています。
行為 | 法定刑 | |
---|---|---|
1 | 個人番号利用事務等に従事する者が、正当な理由なく、特定個人情報ファイルを提供 | 4年以下の懲役または 200万円以下の罰金または併科 |
2 | 上記の者が、不正な利益を図る目的で、マイナンバーを提供、または盗用 | 3年以下の懲役または 150万円以下の罰金または併科 |
3 | 人を欺き、人に暴行を加え、人を脅迫し、または財物の窃取、施設への侵入等によりマイナンバーを取得 | 3年以下の懲役または 150万円以下の罰金 |
4 | 委員会から命令を受けた者が、委員会の命令に違反 | 2年以下の懲役または 50万円以下の罰金 |
5 | 委員会による検査等に際し、虚偽の報告、虚偽の資料提供をする、検査拒否等 | 1年以下の懲役または 50万円以下の罰金 |
6 | 偽りその他不正の手段により「個人番号カード」を取得 | 6ヶ月以下の懲役または 50万円以下の罰金 |
従業員100人以下の中小規模事業者については特例的に簡素な安全管理措置への対応が認められていますが、税理士事務所のように委託を受けて個人番号関係事務を行う場合は、従業員数にかかわらず原則的対応が必要です。
法令で定める保存期間や税務上の時効が過ぎた場合など、利用目的がなくなったマイナンバーの保管を継続することはできず、この時点で保管していたマイナンバーは廃棄する必要があります。
利用する可能性がなくなった時点とは、例えば扶養控除等申告書は法定保管期限の7年経過後などが考えられ、申告書作成のために収集したマイナンバーについては修正申告や更正の請求で使用する可能性もあるため、すぐに廃棄する必要はないと考えられますが、セキュリティ上、提出後は廃棄するという考え方もあります。
- マイナンバーの不正登用は当事者のみならず使用者にも罰金刑が科せられる両罰制度。
- 会計事務所は規模にかかわらず厳格な管理が必要。
- 預かったマイナンバーは時効が経過したら必ず廃棄。